By Sphera’s Editorial Team | 6月 21, 2022

インシデント管理は、企業が職場の安全衛生リスクへの暴露を特定し、予防し、対応し、記録し、分析を行うプロセスです。

職場での事故は多発しています。 米国労働安全衛生局によると、米国内だけでも2018年には1日平均14人を超える人々が亡くなっています。 また、米国労働統計局による2018年に職場で発生した死亡にまでいたらない病気や怪我は280万件に上りました。

これらの職場のインシデントの多くは予防可能なものです。 組織は工場の床を適切に清掃することで転倒を防ぎ、適切なトレーニングや適切な個人用保護具で有毒な化学物質への暴露を防ぐことができます。 また、ハリケーンや新型コロナウイルスのパンデミックなど組織が管理できない状況に関連するインシデントもあります。 しかし、全ての組織はそのリスクを知り、潜在的な安全衛生上のインシデントに備える責任があります。 そこで登場するのがインシデント管理です。

なぜ企業には効果的なインシデント管理が必要なのか?

インシデント管理(職場の安全衛生上のリスクを特定し、予防し、対応し、記録し、分析するプロセス)により、従業員にとって安全な職場と労働環境を作りだすと同時に、組織の生産性を高い状態に維持し、不必要なコストを削減します。 安全衛生上のインシデントは従業員の安全とモラルに影響を与えるだけでなく、組織の財務にも影響を与える可能性があります。 安全衛生上のインシデントが発生すると業務に支障をきたし、高額な労災補償や物的損害の請求、環境浄化費用、保険料の引き上げにつながる可能性があります。 また、インシデントの発生は企業の評判に計り知れないダメージを与える可能性があります。

損害を防いだり、最小限に抑えたりするためには効果的かつ効率的な管理が不可欠です。

インシデント管理プロセス

インシデント管理プロセスは以下の4つの重要なステップに分けることができます。

  1. 準備インシデント管理の中核となる目標は事故の発生を防ぐことです。 企業はリスクを評価し、起こり得る事態を特定し、業界のベストプラクティスや過去のインシデントデータに基づく予防策や対応計画を作ることで、これを実現することが出来ます。 定期的な品質監査は安全面のギャップを特定し、トレーニングの内容を改善し、政府による規制へのコンプライアンスを確保するのに役立ちます。
  2. 対応残念ながら、事故は発生します。 インシデントが発生した場合でも、組織は迅速に対応して損害を最小限に抑えなければなりません。 インシデント対応計画には、労働者の怪我の治療、当面の問題と損害への対処、また安全な操業再開の方法に関する計画などの手順が文書化されている必要があります。
  3. 報告起こった出来事を記録することは 、今後のインシデント予防に不可欠です。 組織はインシデントを記録し、48時間以内に調査する必要があります。 調査では、何が起こったのか、その根本的な原因、予防のための勧告などの詳細な内容を含む報告書を作成する必要があります。
  4. 分析と修正プロセスにおける最後のステップは、インシデント調査データの系統的なレビューです。 企業は調査結果を見直し、是正措置を講じ、解決策を文書化するために必要なシステムを適切に機能させる必要があります。 企業は多くの場合、これらの情報を保管し、従業員がアクセスできるようにすることが求められます。

インシデント管理は1つのサイクルです。

継続的なインシデント管理は、効果的な安全文化の基盤を提供します。 安全は協力して行う仕事であり、かつ個々のプレイヤーにも大きく依存するものです。 従業員一人一人の行動が重要であり、全てのインシデントやニアミスは将来のリスクを予防したり、最小限にしたりするための極めて重要な情報を提供してくれます。

インシデント管理に関するその他のリソース

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